2008年04月14日

【号外】店頭販売で思うように売るには?「カンブリア宮殿/“売り”の極意教えます〜2008年凄腕営業マン列伝」の視聴者から寄せられた質問と回答(4)

前々前回前々回前回の三回に渡って、3月24日に放映されたテレビ番組「カンブリア宮殿/“売り”の極意教えます〜2008年凄腕営業マン列伝」の視聴者から寄せられた以下の質問と回答を掲載させていただきました。

このシリーズ(?・笑)はこれで終わりにしようと思っておりましたが、前回の記事をお読みになった経営者及び幹部社員さんから同趣旨の質問を複数頂戴したので、急遽予定を変え、今回はその質問に対する回答を述べさせていただきます。

何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。(礼)


┌─────────────────────────────
│【Q4】全社的に訪問販売から店頭販売へシフトしたものの、思うように売れません。どうしたら良いでしょうか?
└─────────────────────────────
【A4】
以下の三事項を提案させていただきます。
参考情報にしていただき、思うように売れることを祈念しております。(礼)

 ------------------------------------------
 <1>「店頭販売で絶対販売計画を達成するんだ!」と強く思う。
 ------------------------------------------

店頭販売をやるであれ、訪問販売をやるであれ、会社として何らかの目標&戦略&計画をやり切るには、経営者がこのように強く思うことが欠かせません。
ホンダの相澤さんが、番組の中で「やっぱり店頭販売ですよ!」と何度もおっしゃっていたのは、その表れに他なりません。

恐縮ですが、胸の内に次のような思いはありませんか?

★店頭販売をやって、今よりも売れるといいな。
★詳しいことはわからないけれど、店頭販売の方が良さそうなので、これでうまく売れるといいな。
★○○(※外部の人間)がうるさく言うから、ひとまず店頭販売とやらをやっておくか。
★店頭販売がダメなら、また訪問販売やればいい。

このような思いがあれば、今すぐ捨ててください。
そして、「店頭販売で絶対販売計画を達成するんだ!」と強く思ってください。

店舗スタッフは、経営者が本気な時にのみ、本気で動きます。
彼らの行動量&品質は、経営者の本気度と危機意識の高さで決まります。


 ------------------------------------------
 <2>店頭販売と訪問販売を販売手法として正しく理解する。
 ------------------------------------------

店頭販売であれ、訪問販売であれ、会社として何らかの販売手法で成果を出すには、経営者が該当の販売手法を正しく理解しておくことが欠かせません。
相澤さんが現在店頭販売に専心なさっているのは、訪問販売共々販売手法として正しくご理解しておられるからに他なりません。

恐縮ですが、頂戴したメールを拝読し、店頭販売と訪問販売を販売手法として正しくご理解しておられるか怪しく感じました。

ついては、メーカーのロードマンから情報を提供してもらうなどして、店頭販売と訪問販売を販売手法として正しく理解されるようお勧め申し上げます。(礼)

また、以下に、とりわけ怪く感じた6事項に私見を付しておきます。
ご参考になれば幸いです。


1.「店頭販売=カウンターセールス」ではない。

店頭販売は、見込客化していない新規客&顧客(既存客)をターゲティング&誘引し、車&店&スタッフの購入後満足を証明する販売手法です。
店頭販売は、店舗に展示車と試乗車を置き、それに引かれて来店した新規客を受動的&機械的に応対する「カウンターセールス」ではありません。


2.「店頭販売=お客さまと店舗で注文書を交わすこと」ではない。
店頭販売の主眼は、即決をゴールに、誘引した非見込客を見込客化することです。
これまでの営業活動であらかた購入を取り付けているお客さまと店舗で注文書を交わしても、それは注文書を店舗で回収したことに過ぎません。


3.「訪問販売=お客さまとご自宅で注文書を交わすこと」ではない。

訪問販売は、見込客化していないお客さまの自宅or勤務先を訪問し、車&営業マンの購入後満足を証明する販売手法です。
お客さまのご自宅で注文書を交わしても、それは注文書をお客さまのご自宅で回収したことに過ぎません。


4.「訪問活動=訪問販売」ではない。

営業活動と販売手法を混同してはいけません。
店頭販売をしていても、店舗で全うできなかった営業活動(プロセス)を訪問活動で補うことはよくあります。
(例:お客さまの自宅へ試乗車をお持ちし周辺を試乗いただく。)


5.「飛び込み訪問=訪問販売」ではない。

飛び込み訪問は、コンタクト歴の無いお客さまのご自宅をアポ無しで訪問し、購入関連情報を提供&収集する新規客獲得活動です。


6.「営業マン(人件費・固定費)の削減=店頭販売の主眼」ではない。

2で述べたように、店頭販売の主眼は、即決をゴールに、誘引した非見込客を見込客化することです。
店頭販売でお客さまの購入満足度、即ち、成約率を担保するには、商圏の規模によって営業マンを増員させることも必要です。
(※上がった人件費は販売実績を向上させて帳消しにします。)


 ------------------------------------------
 <3>「売れない真因」を正しく理解する。
 ------------------------------------------

店頭販売であれ、訪問販売であれ、「売れない」という問題を解決するには、経営者が「売れない真因」を正しく理解しておくことが欠かせません。
相澤さんが店舗巡回を欠かさないのは、「売れない真因」になりかねないものを早く&正しく理解なさりたいから、に他なりません。

恐縮ですが、頂戴したメールを拝読し、「売れない真因」を正しく理解しておられるか怪しく感じました。

「店頭販売をしていて売れない」といっても、その原因が、「店頭営業活動(プロセス)の実行品質が低いから」なのか、「店頭営業活動の内容がイマイチだから」なのか、で解決のアプローチ&策は全然変わってしまいます。
また、仮に前者だったとしても、その原因が、「店舗スタッフの店頭営業活動に関する理解が浅いから」なのか、「店舗スタッフのモチベーションが低いから」なのか、で解決のアプローチ&策は全然変わってしまいます。

つきましては、前々回に掲載した質問「店頭販売は、そんなに売れるのか?」の回答と以下の質問を参考に、「売れない真因」を正しく理解されるようお勧め申し上げます。(礼)
 
Q1.営業マンは、「もっと車を売りたい!」と思っているか?
Q2.営業マンは、「お客さまに車を買っていただくには、他店よりも高い満足を与えなければいけない」、と思っているか?
Q3.営業マンは、店頭販売を実施する理由(意義)を理解しているか?
Q4.営業マンは、店頭販売を実施する理由(意義)を納得しているか?
Q5.定義している店頭営業活動(プロセス)は、店長を核とするチームプレーを旨としているか?
Q6.定義している店頭営業活動(プロセス)の内容は適切か?
Q7.販売実績に加え店頭販売プロセスも、正しく評価しているか?
Q8.販売現場へ定期的に赴き、店頭営業活動の実行品質を自分の目で確かめているか?
Q9.店長以下全店舗スタッフに教育機会を効果的かつ間断無く提供しているか?
Q10.自分の分身と思える社員を店長にしているか?
Q11.商圏へ店舗&販売車種情報を効果的かつ間断無く提供しているか?
Q12.販売計画(集客〜店頭営業活動〜見込化〜成約)は合理的か?



※関連記事
ホンダカーズ中央神奈川の相澤賢二会長の講演を拝聴するの巻

※関連号外
飛び込み訪問は、そんなに売れるのか?〜「カンブリア宮殿/“売り”の極意教えます〜2008年凄腕営業マン列伝」の視聴者から寄せられた質問と回答(1)
店頭販売は、そんなに売れるのか?〜「カンブリア宮殿/“売り”の極意教えます〜2008年凄腕営業マン列伝」の視聴者から寄せられた質問と回答(2)
飛び込み訪問と店頭販売では、どちらが売れる?「カンブリア宮殿/“売り”の極意教えます〜2008年凄腕営業マン列伝」の視聴者から寄せられた質問と回答(3)
報道記事「販売のトヨタに忍び寄る不安/『プリウス』人気で足腰が弱る」に対する雑感

▼その他の号外▼
カスタム検索

トップページ趣旨メールマガジン版(無料)のご案内筆者と会社

この記事へのトラックバックURL