2008年04月04日

【号外】飛び込み訪問は、そんなに売れるのか?〜「カンブリア宮殿/“売り”の極意教えます〜2008年凄腕営業マン列伝」の視聴者から寄せられた質問と回答(1)

3月24日に放映されたテレビ番組「カンブリア宮殿/“売り”の極意教えます〜2008年凄腕営業マン列伝〜」に、トヨタの優秀営業マンの湯浅真弓さんとホンダの優秀経営者の相澤賢二さんが出演され、各々独自の自動車営業論を語られました。

湯浅さんは、トヨタ東京カローラの西東京エリアのお店にお勤めです。
飛び込み訪問を核とする営業活動を励行され、月に多い時で14台、入社後15年で1300台もの車を販売なさっています。

相澤さんは、ホンダカーズ中央神奈川(旧:ホンダクリオ新神奈川)を経営なさっています。
湯浅さんが励行なさっている飛込み訪問を会社として禁止し、店舗スタッフ全員で来店客をもてなす店頭販売を推進され、営業マンさん一人で月に7.5台もの車を販売なさっています。

私は、本番組を後日録画で見ました。
相澤さんとは過去講演会で直接お話しさせていただいたこともあるのですが、お二人の経験&実績に基づく熱弁に強く感銘しました。

同様の印象を持ったのは私だけではなかったようです。
番組終了後、多くの方から私宛へ質問や感想が寄せられました。

つきましては、私宛へ寄せられた質問の内とりわけ多かった三つの質問に対する回答をそれぞれ述べさせていただきます。
何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。(礼)

ちなみに、以下は、本番組の内容に言及したブログです。
ご参考になれば幸いです。(礼)

   -----------------------------------------------------------

★カンブリア宮殿SP:営業マン伝説
http://ameblo.jp/cm115549901/entry-10082590030.html

★トップセールス!
http://ta123yutaka.osakazine.net/e95423.html


┌─────────────────────────────
│【Q1】飛び込み訪問は、そんなに売れるのか?
└─────────────────────────────
【A1】以下の事項が「イエス」であれば、「イエス」です。

 ------------------------------------------
 <1>実施する商圏が以下の特性を持っている。
 ------------------------------------------

【1】主たる住居が戸建でありかつ駐車場を併設している。

さもないと、所有者(情報)と所有車両(情報)が繋がり難いばかりか、情報の陳腐化が早いです。

湯浅さんが勤務なさっているお店、即ち、湯浅さんの商圏は、東京都西東京市でした。
このエリアは、都心と比較すると、戸建が多く、転出入が少ないです。
また、公共交通網が限られており、足としてのマイカー所有ニーズが高いです。

湯浅さんが飛び込み訪問をなさっていたのは、もっぱら駐車場を併設した戸建でした。
湯浅さんは、「車は一家に一台あり、売る余地は全然ある。」とおっしゃっていました。


【2】面積当りの住居数が多い

さもないと、移動に時間がかかり、生産性(飛び込み件数/時間)が低くなり易いです。
湯浅さんが飛び込み訪問をなさっていたエリアは、普通の戸建が密集していました。


【3】平日日中の在宅率が高い。

さもないと、所有者(の家族)とコンタクトし難いです。
湯浅さんが飛び込んでいたお客さま宅には、みな奥さまがいらっしゃいました。


【4】未知の人及び営業マンに対する警戒心が強過ぎない。

さもないと、コンタクトがドアホンより先に進みません。


 ------------------------------------------
 <2>実施する営業マンさんが以下の資質を持っている。
 ------------------------------------------

【1】体力が高い。

さもないと、そもそも実施できません。
さすがの湯浅さんも、「最近体力が落ちてきた」とおっしゃっていました。(笑)


【2】モチベーションが高い。

さもないと、お客さまから度重なり頂戴する拒絶意向&冷遇に挫折し易いです。

湯浅さんの上司である店長さんは、湯浅さんの業務遂行姿勢について、次のようにおっしゃっていました。

(湯浅さんは、)自分で目標を高く設定している。
こちらから数字を決めると、「そんな低いのはだめだ』と言われる。
 
湯浅さんは、営業活動としての飛び込み訪問について、次のようにおっしゃっていました。

飛び込みは基本的な営業活動であり、はっきりいって断わられにいくような仕事である。

営業マンはお客さまに断られることを避けることはできない。
トップセールスマンほど、一番多くの断りを受けている。

(飛び込み訪問を行う際は予め)頭の中をハイテンションの状態にもっていくようにしている。

湯浅さんは、飛び込み訪問にこだわる理由について、次のようにおっしゃっていました。

私自身、性格なのか、比較的自信過剰でおごりたかぶる部分があり、(ややもすると)お客さまに(対しても)おごりたかぶってしまうのではないか、という恐怖心がある。
だから、こうして飛び込み訪問で、厳しい現場の厳しい状況を味わいながら、お客さまのありがたみを味わう(ことが欠かせない)。

湯浅さんは、トップセールスになった今、次のように感じておられるようです。

お客さまに喜んでもらうことに対する快楽が大きい。
車が売れることよりも、お客さまに満足してもらうことが嬉しい。


【3】コミュニケーションスキルが高い。

さもないと、お客さまの警戒心を除去しかつ会話を始めることができません。

移動中、念入りに洗車をなさっているお客さまを見かけたら、すぐに、「洗車お疲れさまです!すごく丁寧に磨かれていますね!お車ピカピカですね!」などと元気良く、話しかけることができなければいけません。

湯浅さんがドアホンへ向かって発する第一声は、「トヨタ東京カローラの湯浅と申しますが、今日はご挨拶に伺ったのですが少々よろしいでしょうか?」。
その声は、地声より1オクターブ高い、明るく、ハキハキとしたものでした。

湯浅さんは、お客さまのドアホン越しの拒絶コメントに対し、「ありがとうございます。広告だけ入れさせていただいてもよろしいでしょうか?」とおっしゃっていました。

湯浅さんから新車を購入なさったお客さま(※女性)は、湯浅さんについて、次のようにおっしゃっていました。

最初は、すごく流暢にお話しになるので、調子がいいのかな、と正直思っていた(笑)。

(店へ来て湯浅さんに)会えないと、(いつも)がっかりして帰りました(笑)。

湯浅さんは、お客さまとのコミュニケーションについて、次のようにおっしゃっていました。

「しつこい」というのと「熱心だ」というのは似て非なるものだ。
差は、「お客様の立場に立っているか否か」ということ。
(お客さまの)顔を見て嫌がっているなと思ったら、すぐに引き下がる。
(お客さまの不機嫌そうな表情を)見逃した挙句、自分の言いたいことを言っていると、お客さまはそれを不快に感じ、(結果その営業マンは)しつこいと思われる。

お客さまが(営業マンに)電話をかけてくるということは、何かを営業マンに期待しているということだ。
(営業マンが行うべきは、)お客さまが要求していることをすぐに解決して差し上げること。
それは、お客さまのストレスをすぐに取り除くことで、お客さまに非常に喜んでもらえる。
(だから私は、)自分が動けるものに関しては、できる限り迅速に動いている。


【4】創意工夫スキルが高い。

さもないと、すぐに行き詰まり、挫折してしまいます。

湯浅さんは、飛び込み訪問の留意事項として、次のことをおっしゃいました。

飛び込みは、断わられにいくような仕事であり、その断りをできるだけ最後のほうに持っていく(ことが大事)。

(飛び込み訪問を成功させるために)私が考えたのは、(いかにして)まず(お客さまにドアの外へ)出てきてもらう(かという)こと。
(なぜならば、)ここでまず一回目の断りがある(からだ)。
(ドアの外へ)出てきてくれたら、次の段階に進める。

(お客さまには)できるだけ好印象を与える(ことが大事)。
(そのためには、)さわやかで元気な印象を与える(ことが効果的)。
さもないと、(お客さまが抱く印象が、)「この人、何?」となる。


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 <3>経営者及び上司が以下の業務を実行できる。
 ------------------------------------------

【1】営業マンさんの業績を中長期の視点から評価できる。

さもないと、「飛び込み訪問」が「押し売り(=初面談したその場で商品の購入を強要する)訪問」と化してしまいます。


【2】↑以外からも<2>を支援できる。

さもないと、「訪問活動の質と量」&「活動の継続性」&「活動の結果(販売実績)」が営業マンさんの資質如何で決まってしまいます。



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