2010年02月10日

【号外】デキる経営者岡林直之さんの講演レポート

先月末、自動車整備工場の岡林フェンダー(宮崎県佐土原町)を経営するデキる経営者の岡林直之さんが、宮崎県自動車整備振興会で講演をなさいました。
そして、過日、岡林さんは、講演の内容を私にレポートくださいました。
頂戴したレポートの内容は、気づきと共感に富むものでした。

つきましては、今号は号外とさせていただき、頂戴したレポートをあなたさまのお目にかけたいと思います。
本レポートを題材に、既存顧客との「意識のずれ」の解消に努めていただければ幸いです。
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 1.岡林さんが送ってくださった講演レポート
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堀様

ご無沙汰してます。岡林です。
先日お伝えしました宮崎県自動車整備振興会での私の講演、
無事終了しました。

内容は、整備振興会の進めるオアシス運動
(付加価値創造型の整備工場を目指す運動)への
当社の取り組みの紹介です。

自動車整備振興会のお客様へのアンケート調査の中に、
「あなたが整備工場を選んだ理由は?」という項目があるのですが、
理由は「技術力」「人間関係」「近所」であるそうです。

また、その中で整備工場とお客様の「意識のずれ」が指摘されていて、
整備工場側からすればお客様の8割がお得意様だという認識でいるが、
お客様側からすれば その工場をこれからも利用したいと考えている
お客様は4割しかいない。と記されています・

商売を繁盛させるには、
自社に足りないものを加えていくという方法もあるとは思いますが、
(たとえば整備工場が鈑金塗装を始める、クイックサービスを始める、など)
私は、お客様が当社を選んだ理由を見つけ出し、
それを徹底的に強化することが
お客様との信頼関係構築につながると思っています。

信頼関係を構築するには顧客満足も大事、社員満足も大事、
環境への、そして未来への配慮も大事。
社会的な整合性を持ちながら競争力(当社のうり)をもたせようと考えると
堀様のおっしゃる「競合優位」という言葉が私の心にピッタリ来るのです。

ですので「競合優位」という言葉を皆に紹介せずにはいられませんでした。
(すいません、堀さんの名前も紹介しました。)

当社の競合優位の強化ですが(整備工場として)
大きく2つに分けて行っています。

1つは「商品力(車検など)の強化」、もう1つは「人間力の強化」です。

商品力(車検)を支えるのに必用なものとして
○技術力、○アドバイザー能力、○スピード、○パッケージ力、
を私は考えるのですが、
この中でも「パッケージ力」(すいません私が勝手に作った言葉です。)を
重点的にお話させていただきました。

普通、どんな商品も綺麗な袋や箱などに入れられて、
どんな商品なのか、どのような成分なのかを
しっかりと記載されているのですが、われわれ整備工場の商品は
むき出しのまま販売されています。
(何のためにしなければならなかったのか?
それをする事でどのような効果があったのか?お客様に分からない。
事前説明も事後説明も無い。)

それらを克服するために、車検案内に力を入れています。
それには、「車検とは社会への、そして環境への愛」としっかりうたい、
ホームページでも登場する整備マンが大活躍!)
車検終了後も分かりやすい説明を心がけています。
(当社の自慢、全日本自動車整備技能競技大会、アドバイザー部門、優勝!)

つづいて「人間力の強化」ですが、
そのために自社のブランド力を高める努力をしています。

以前、堀様がブランドとは物語を作ることです。とおっしゃっていましたが、
私も全くそのとうりだと思います。

私も お客様との間に、物語を作ろうと取り組んできました。
(一級整備士物語など。)
また、お客様の物語にも触れるようにしています。
(たとえば、結婚される、新しい家族が誕生する、など。)

これらのことはすべてダイレクトメールにてお客様に伝えています。
(折り込み広告などは無し。)

会社にとってお客様への利益の還元、また、宣伝活動は
絶対に必用なものと私は考えます。
ただ、それらの費用はこれまで当社を利用してくださったお客様からいただいたもの、
またそれらにかかる時間も既存のお客様からいただいたもの、ならば、
それらはお客様になってくれるかもしれない人に向けるのではなく、
これまで利用してくれたお客様に向けることで
お客様の満足度向上につながると信じています。
(新規客獲得は全く考えない。)

違う言い方をすれば、
新規客獲得のために使う費用や時間を既存客に向ければ、
既存客が他社との比較をした時にその分だけ他社とのアドバンテージになる
と考えます。

「お客様に逃げられなければ、後は増えるしかない!」

かなり大雑把ですが、以上のことを1時間ほどかけてお話させていただきました。
(すいませんビデオはとっていません。)むちゃくちゃな文章許してください。

堀様のホームページは私にとって商売の教科書です。
これからも更新楽しみにしています。今後とも宜しくお願いします。

岡林 直之


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 2.堀の返信
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岡林さん

こんにちは。
キャタリストの堀でございます。
メールをありがとうございます。(礼)



宮崎県自動車整備振興会でのご講演、
お疲れさまでございました。(敬礼)
参加者さんは気づきを、そして、岡林さんは悟りを
それぞれ得られたことと拝察いたします。

ご講演のレポートはしかと精読いたしました。
レポート、ありがとうございました。(敬礼)

ご講演の内容は、気づきと共感しきりでした。
とりわけ、新規客獲得を既存顧客生涯化プロセスの結果と考える
岡林さんの経営判断&意思決定には、強く頷かされました。

というのも、ディーラーが「総合病院/総合スーパー(※)」である一方、
整備工場は「かかりつけ医/スーパーマーケット」であり、かつ、
お客さまもそれを望んでおられる、と私は考えているからです。
 (※)イトーヨーカドーやジャスコなど。GMSとも言います。
広商圏で高コストであるディーラーの必達経営課題は新規客獲得で、
狭商圏で低コストの整備工場の必達経営課題は既存顧客生涯化である、
と私は考えています。

整備工場と既存顧客の「意識のずれ」は、
整備工場が既存顧客との関係性を取引実績で判断するのに対し、
既存顧客は整備工場との関係性を取引満足度で判断することに
起因している、と私は考えます。
これは、オトコがオンナとの関係性を交際実績で判断するのに対し、
オンナはオトコとの関係性を交際満足度で判断するのと同じ考えです。(笑)

整備工場と既存顧客の「意識のずれ」を解消するには、
整備工場が絶えず既存顧客生涯化プロセスに不断に努め、
既存顧客の望む「かかりつけ医/スーパーマーケット」になることが
欠かせない、と私は考えます。
有限会社岡林フェンダーさんが既存顧客との「意識のずれ」を解消し、
既存顧客の生涯化を果たされるよう、私は祈念しております。(礼)

岡林さん、レポートを本当にありがとうございました。(敬礼)



ご講演直後のお疲れ&お忙しい中、
メールをありがとうございました。(礼)

<追伸>
不肖私の造語である「競合優位」をご利用&活用いただき、また、
不肖私をご紹介いただき、誠にありがとうございました。(敬礼)
本件は一生忘れません!(感涙)

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┃有限会社 キャタリスト (個人と社会の満足を最大化する”触媒”)
┃取締役社長兼サティスファクションプロデューサー 
┃堀 公夫
┃ http://www.catalyst.co.jp
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